世界で最も大きなホテルグループがどこかご存知でしょうか?それは「マリオット・インターナショナル」です。マリオット・インターナショナルは2016年9月にスターウッドホテル&リゾートを買収したことで、6,000を超える宿泊施設を持つ世界最大のホテルグループとなりました。
世界一の巨大なホテルグループ、マリオット・インターナショナルの傘下には、3つもの会員システムが存在します。
- マリオットリワード
- ザ・リッツ・カールトンリワード
- スターウッド・プリファード・ゲスト(SPG)
この3つの会員システムの関係ですが、マリオットリワードとザ・リッツカールトンリワードは既に統合されており、SPGは別の会員システムとなっております。
そのため、マリオットリワードとザ・リッツカールトンリワードは両方に会員登録することができません。マリオットリワードとザ・リッツカールトンリワードのいずれかに会員登録することで、それぞれのリワードプログラムでほぼ同一の会員サービスを受けることができます。
ではマリオットリワードで会員登録した後は、ザ・リッツカールトンリワードの会員には二度となることができないのでしょうか?答えは「No」です。
本記事では、マリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードへの変更方法と、そのメリット・デメリットを解説します。
マリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードへの変更
既にマリオットリワードへ会員登録した人は、マリオットリワードのサイト上ではザ・リッツカールトンリワードへ変更することができません。ではどのようにして変更することができるのでしょうか。マリオットリワードのQ&Aを見てみましょう。
マリオットリワード「お客様のご質問に対応するためのQ&A」へのリンク
上記リンクのQ&Aには、「ザ・リッツカールトンリワード」の項目の4番目のアンサーに以下のような記載があります。
会員の方はザ・リッツカールトン・ホテルでの特典を受け取るためにプログラムの所属を変更する必要はありません。しかし、ザ・リッツカールトン ブランドとプログラムの方が 旅行のニーズに合うと思われる方は、ritzcarlton.com にて、またはゲストサービスを通じてアカウントの所属を変更することができます。(マリオットリワードより引用)
非常に分かりづらいアンサーですが、要約すると「(マリオットリワードから)あえてプログラムを変更する必要はないが、どうしてもザ・リッツカールトンのほうがいいと思う方は、サイトかゲストサービスを通じて変更できる」という内容です。
この表記通りであれば、ザ・リッツカールトンのサイト上で変更できるように読み取れるのですが、実際はできません。
マリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードへの変更は「マリオットリワード・サービスデスク」に電話をして依頼をすることで行うことができるのです。
マリオットリワードのサービスデスクに依頼するとその場で変更手続きが完了し、すぐにザ・リッツカールトンリワードに変更されたことが確認できます。また、ザ・リッツカールトンリワードからマリオットリワードへの変更も同様の手続きで可能です。
ザ・リッツカールトンリワードに変更するメリット
ではマリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードに切り替えたことで得られるメリットはどのようなものなのでしょうか。実際に私が切り替えてみて、確認できたメリットを紹介します。
ザ・リッツカールトンリワード会員カードが発行できる
これがマリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードに切り替えた後に享受できる最大のメリットです。ザ・リッツカールトンリワードに変更すると、マリオットリワードのマイアカウントの画面がザ・リッツカールトンリワードに変わります。
その画面から「カード再発行のお申し込み」を行うと、数週間後に美しいブローシャーとともにザ・リッツカールトンリワードの会員カードが届きます。
私は既にマリオットリワードのプラチナエリート会員カードを持っていましたが、さらにザ・リッツカールトンリワードのプラチナエリート会員カードも手にすることができました。
ザ・リッツカールトンリワードのキャンペーンに参加できる
ザ・リッツカールトンリワードでは、マリオットリワードとは別の独自キャンペーンを実施していることがあります。例えば既に終了しているのですが、直近では「SUMMER SOJOURNS」というキャンペーンが行われておりました。
このキャンペーンはザ・リッツカールトンに1滞在で2泊以上することで、ポイントが2倍提供されるという内容です。このキャンペーンは、マリオットリワードの会員は参加することができません。また、このキャンペーンが発表される1ヶ月前以降にマリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードに切り替えた人も参加できません。これはキャンペーン発表後にキャンペーン目的での会員切り替えを推奨しないためでしょう。キャンペーン発表前から早めにザ・リッツカールトンリワードへ切り替えておけばエントリーが可能です。
ザ・リッツカールトンリワードに変更するデメリット
続いてマリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードへ切り替えた際に発生するデメリットについて説明します。
マリオットリワード・バッジが消滅する
私がザ・リッツカールトンリワードに変更して失ってしまった最大のものは「マリオットリワード・バッジ」です。
マリオットリワード・バッジは、宿泊などのアクティビティによってバッジとポイントが獲得できるプロモーションです。このプロモーションはマリオットリワードの会員であれば誰でも参加することができます。新しいホテルブランドに宿泊するたびにバッジが獲得できるので、私はこのプロモーションを楽しく利用していたのですが、ザ・リッツカールトンリワードに移行したことで、残念なことに獲得したバッジは全て消滅してしまいました。マリオットリワード・バッジは、マリオットリワード会員専用のプロモーションだったのです。
なおマリオットリワード・バッジの獲得方法について、以下のSPGアメックス会員向けスターポイント獲得ガイドで解説しています。
マリオットリワードのサイトが使いづらくなる
ザ・リッツカールトンリワードに変更すると、前述の通りマリオットリワードのマイアカウントの表示がザ・リッツカールトンリワードに切り替わります。しかしこのザ・リッツカールトンリワードのマイアカウント画面がとても使いづらいのです。
マリオットリワードから上記画像のオレンジの矢印が示す「アカウント概要」をクリックしてマイアカウントを表示します。すると、下記画像のようにザ・リッツカールトンリワードのマイアカウントが表示されます。すると、ページのヘッダーにあるメニュー(赤枠とオレンジ枠)が全てザ・リッツカールトンリワードへのリンクになってしまい、マリオットリワードに戻ることができなくなります。
例えば上記画像のオレンジの矢印が示す「今すぐご予約」というメニューをクリックすると、何と英語版のザ・リッツカールトン検索画面に切り替わります。さらにその画面からはザ・リッツカールトンのホテルしか検索できません。マリオットリワードに戻るには、マリオットリワードのトップページをURL手打ちなどで最初から開くしか方法がないのです。
ザ・リッツカールトンリワードに切り替えると、このようにサイトの導線がおかしくなるため、マリオットリワードのサイトを利用する際、とても不便でストレスを感じるようになります。
ザ・リッツカールトンリワードに変更する必要はあるか?
マリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードへ実際に変更した経験から結論を申し上げると、「変更する必要はない」と考えております。
まず、ザ・リッツカールトンへの宿泊において、どちらの会員であろうとも対応は全く変わりません。つまり、ザ・リッツカールトンリワードの会員だからといって、マリオットリワードの会員以上の扱いを受けられることはありません。これも私がそれぞれの会員でザ・リッツカールトン東京に何度も宿泊して確認した結果です。
ザ・リッツカールトンリワード会員だけが参加できるキャンペーンは魅力的ではあるものの、直近で行われたキャンペーンはザ・リッツカールトンへ支払いを伴う宿泊で連泊しなければならず、敷居はかなり高いと言わざるを得ません。
あと残るはザ・リッツカールトンリワード会員カードが欲しいかどうかですが、マリオットリワード・バッジといった楽しい特典を失い、マリオットリワードの使い勝手を落としてまで入手すべきかどうか、十分に考える必要があります。
それからこの記事に記載したデメリットは私の検証で確認したもののみであり、他にも何らかのデメリットが潜んでいる可能性もあります。もしあなたがマリオットリワードの会員で、ザ・リッツカールトンに変更する場合は自己責任で行ってください。私は何度も切り替えるのもリスクを感じているので、しばらくはザ・リッツカールトンリワードの会員として継続するつもりです。
ザ・リッツカールトンで優遇を受けたいならプラチナエリート獲得がお勧め
もしあなたがマリオットリワードのゴールドエリートで、ザ・リッツカールトンでさらに高い扱いを受けたいと考えるのであれば、プラチナエリートの獲得をお勧めします。私もプラチナエリートを獲得して以来、ザ・リッツカールトンでの扱いが変わったことを実感しております。
以下の記事はSPGアメックスカードを活用したマリオットリワードとSPGのプラチナ会員獲得ガイドです。プラチナエリート獲得に興味がある方はぜひ参考にしてください。
まとめ
- マリオットリワードとザ・リッツカールトンリワードは統合されており、いずれかの会員登録しかできない。
- ただし片方に登録しておけば、両方でほぼ同一の特典が得られる。
- マリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードへの変更は、マリオットリワード・サービスデスクに電話して依頼する。
- マリオットリワード・サービスデスクで変更を行うと、即座に反映される。
- ザ・リッツカールトンリワードへの変更のメリットは、ザ・リッツカールトンリワードの会員カード発行と独自のキャンペーンへの参加の2点。
- デメリットは、マリオットリワード・バッジを失うことと、マリオットリワードのサイトが使いづらくなること。
- その他のデメリットもある可能性があり、マリオットリワードからザ・リッツカールトンリワードへの変更はお勧めしない。
- ザ・リッツカールトンで優遇を受けたい場合は、マリオットリワードでプラチナエリートを獲得することをお勧めする。
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