スターウッドホテル&リゾートの会員システム「スターウッド・プリファード・ゲスト(SPG)」では、ホテル宿泊やSPG提携クレジットカード「SPGアメックス」の利用により、「スターポイント」という名のポイントを獲得することができます。
スターポイントの獲得方法は、以下の記事で獲得手段の全てについて解説をしました。
獲得したスターポイントは、無料宿泊やマイルへの交換など、さまざまな利用方法が提供されております。
本記事では、「スターポイント利用による無料宿泊」にフォーカスし、獲得した貴重なスターポイントを無駄にせずにお得に使う考え方と、無料宿泊でスターポイントの価値を最大化するための具体的な3つの方法について解説します。
まずは「スターポイント利用単価」を確認
さて、スターポイントでお得な無料宿泊の方法を説明する前に、理解すべきことがあります。そのスターポイント無料宿泊が「お得か、損か」を確認する手段です。
スターポイントはその利用方法・利用手段によって「1ポイントあたりの利用単価」が大きく変わります。この利用単価を、当サイトでは「スターポイント利用単価」と呼ぶことにします。スターポイント利用単価が高いほどお得にスターポイントを利用したということになり、低いほどもったいない使い方をした、ということになります。
それでは無料宿泊をした場合のスターポイント利用単価を算出してみましょう。
スターポイント利用単価の算出方法は「宿泊料金 ÷ 利用スターポイント数」です。
例えば、宿泊料金6万円のお部屋を3万スターポイントで無料宿泊した場合、
「6万円 ÷ 3万スターポイント = 2円」
すなわちスターポイント利用単価は2円ということになります。
なお宿泊料金を確認する際は、以下の2点に注意する必要があります。
- 同日同条件で予約できるお部屋であること
- 税金・サービス料金込みの価格であること
まず1についてですが、スターポイント無料宿泊と同じ予約条件の宿泊プランの料金がいくらであるかを確認します。
条件とは宿泊日だけでなく、お部屋のグレードやキャンセル可否などです。スターポイントによる無料宿泊は基本的にキャンセル可能なので、宿泊料金もキャンセル可能な宿泊プランを確認します。
次に2の「税金・サービス料金」についてですが、スターポイントで無料宿泊した場合は税金・サービス料金がかかりません。なので、スターポイント利用単価を算出するための宿泊料金は「税金・サービス料金込みでいくらなのか」を確認します。
ではセントレジスホテル大阪の、ある日の価格例で見てみましょう。以下の画像をご覧ください。
セントレジスホテル大阪で無料宿泊に必要なポイントは20,000スターポイントです。無料宿泊の下には2つの価格が表示されていますが、安い「SPG会員様限定:前払い料金」は、よく見ると「キャンセルには違約金が発生いたします」と注意書きがされています。これはキャンセル不可の料金価格なので、無料宿泊とは同条件ではありません。無料宿泊と同条件なのは、キャンセル無料と明記されている一番下の「フレキシブル料金」なのです。
フレキシブル料金は40,850円とありますが、これには税金・サービス料金が入っておりません。その下に小さく記載されている50,736円が税金・サービス料金込みの宿泊料金なのです。
ではこのお部屋を無料宿泊した場合のスターポイント利用単価を算出してみましょう。
「宿泊料金50,736円 ÷ 無料宿泊20,000スターポイント = 2.5円」
ということで、セントレジスホテル大阪にこのプランで無料宿泊した場合のスターポイント利用単価は2.5円ということになります。
1スターポイントの価値は?
ではスターポイント利用単価が、「いくら以上であればお得」で「いくら以下なら損」と言えるのでしょうか。
そこで損得の目安となるのが「1マイルの価値」です。マイルの価値は諸説ありますが、ANAやJALなどのマイルは「1マイルの価値=2円」というのがほぼ定説になっております。
この「1マイル=2円」を正とした場合、1スターポイントの価値はいくらになるのか計算してみましょう。
スターポイントは20,000スターポイントを一括でマイルに交換することで、ボーナスとして5,000マイルが加算され25,000マイルに交換することができます。これにより、スターポイントのマイル交換比率は1.25%になり、1スターポイントは1.25マイルの価値があるということになります。
「1スターポイント=1.25マイル」これを「1マイル=2円」で換算すると「1スターポイント=2.5円」となります。
この2.5円という数値が正しいかどうかは証明しようがありませんが、当サイトではスターポイントの価値を計る基準として採用します。
ちなみ海外においては、1スターポイントの価値は2.3〜2.7セント(約2.5〜3円)程度である、というのが定説となっておりますので、私が算出した2.5円も大きく外れてはいないでしょう。
この2.5円という基準を持つことにより、スターポイントの利用単価が2.5円以上の使い方であればお得に使ったことになり、2.5円以下であればもったいない使い方をした、と考えることができます。
ではこの2.5円というスターポイントの価値を念頭に、よりお得に無料宿泊するための3つの方法を解説していきます。
方法1:カテゴリーの低いSPG参加ホテルで無料宿泊
SPG参加のホテルにスターポイントで無料宿泊する際は、カテゴリーの低いホテルで無料宿泊したほうが、高い単価でスターポイントを利用することができます。
スターポイントで無料宿泊する場合、必要なポイントは「ホテルのカテゴリー」によって決められています。SPGはカテゴリーが1から7まであり、それぞれのカテゴリーで無料宿泊に必要なスターポイント数が決まっています。カテゴリー別で無料宿泊に必要なスターポイントを表にまとめました。以下の通りです。
カテゴリー | 無料宿泊(平日) 必要スターポイント |
無料宿泊(週末) 必要スターポイント |
---|---|---|
1 | 3,000pt | 2,000pt |
2 | 4,000pt | 3,000pt |
3 | 7,000pt | 7,000pt |
4 | 10,000pt | 10,000pt |
5 | 12,000〜16,000pt | 12,000〜16,000pt |
6 | 20,000〜25,000pt | 20,000〜25,000pt |
7 | 30,000〜35,000pt | 30,000〜35,000pt |
この表をご覧いただくとお分かりの通り、カテゴリー1とカテゴリー2のみ、週末の宿泊で必要なスターポイント数が1,000スターポイント少ないのです。
では国内のSPG参加ホテルで実際にどれだけスターポイント利用単価が違うのか確認してみましょう。以下の表は2017年9月22日のスターポイント利用単価を調査した表です(調査日2017年8月20日、ポイント無料宿泊が表示されないホテルは除外)。
ホテル名 | カテゴリー | スターポイント 利用単価 |
---|---|---|
フォーポイントバイシェラトン函館 | 2 | 11.9円 |
ウェスティン都ホテル京都 | 5 | 3.3円 |
ザ・プリンスギャラリー紀尾井町 | 7 | 2.4円 |
横浜ベイシェラトンホテル | 5 | 2.4円 |
セントレジスホテル大阪 | 6 | 2.3円 |
ウェスティンナゴヤキャッスル | 4 | 2.1円 |
シェラトングランドホテル広島 | 5 | 2.1円 |
ウェスティンホテル大阪 | 4 | 2.1円 |
シェラトン・グランデ(宮崎) | 5 | 2.1円 |
ウェスティンホテル淡路 | 4 | 2.0円 |
ウェスティンホテル東京 | 6 | 1.8円 |
翠嵐ラグジュアリーコレクション京都 | 7 | 1.8円 |
キロロ トリビュート北海道 | 4 | 1.5円 |
ウェスティン ルスツリゾート | 6 | 1.4円 |
シェラトン都ホテル東京 | 5 | 1.3円 |
シェラトン北海道キロロリゾート | 4 | 1.2円 |
日本では最も低い、カテゴリー2の「フォーポイントバイシェラトン函館」が、何とスターポイント利用単価11.9円という圧倒的でとてつもない単価を叩き出しています。実はこの日の宿泊料金は35,625円ということで中でも特別高い日にあたっているのですが、これだけ高い日であっても、週末という条件も重なり、わずか3,000スターポイントで無料宿泊することができるのです。
ではフォーポイント函館の他の日もスターポイント利用単価を見てみましょう。2017年9月でポイント宿泊が可能な全ての日についてスターポイント利用単価を調べてみました。以下の通りです(調査日2017年8月20日)。
宿泊日 | 宿泊料金 | 必要 スターポイント |
スターポイント 利用単価 |
---|---|---|---|
9月1日 | 19,475円 | 3,000pt | 6.5円 |
9月3日 | 27,100円 | 4,000pt | 6.8円 |
9月5日 | 24,010円 | 4,000pt | 6.0円 |
9月11日 | 26,950円 | 4,000pt | 6.7円 |
9月13日 | 23,030円 | 4,000pt | 5.8円 |
9月14日 | 23,030円 | 4,000pt | 5.8円 |
9月18日 | 18,130円 | 4,000pt | 4.5円(最安) |
9月19日 | 18,130円 | 4,000pt | 4.5円(最安) |
9月21日 | 26,950円 | 4,000pt | 6.7円 |
9月22日 | 35,625円 | 3,000pt | 11.9円(最高) |
9月25日 | 24,010円 | 4,000pt | 6.0円 |
9月26日 | 19,110円 | 4,000pt | 4.8円 |
9月27日 | 19,500円 | 4,000pt | 4.9円 |
9月28日 | 19,500円 | 4,000pt | 4.9円 |
この表の通り、スターポイント利用単価は最低でも4.5円となっており、目標となる1スターポイント価値2.5円を大きく上回っております。
このような現象はカテゴリー3以上のホテルではほとんど見つけることができませんが、日本だけでなく海外のカテゴリー1からカテゴリー2のホテルも同様に高いスターポイント利用単価で無料宿泊することができるのです。
方法2:ピークシーズンのSPG参加ホテルで無料宿泊
SPGは前述の通りカテゴリーごとに無料宿泊で必要なスターポイントが決められております。この無料宿泊で必要なスターポイントは、ピークシーズン(混雑期)やオフシーズン(閑散期)に関わらず一定となっております。
ホテルの宿泊料金はよく知られている通り、ピークシーズンが高くなり、オフシーズンは安くなります。つまり、ピークシーズンを狙って無料宿泊することで、スターポイント利用単価を高くすることができるのです。
では実例を見てみましょう。
例えば北海道のSPG参加ホテル「キロロ トリビュートポートフォリオホテル 北海道」ですが、このホテルはカテゴリー4なので10,000スターポイントで無料宿泊ができます。キロロはスキーリゾートなので、スキーシーズンは混雑期になりますが、オフシーズンであれば宿泊料金15,200円で宿泊可能です。
しかしオフシーズンは宿泊料金が安いため、スターポイント利用単価が1.5円となり、スターポイント利用の観点からはあまりお得とは言えません。一方、極端な例ですが例えば大晦日の12月31日に1泊し新年をホテルで迎えた場合はどうなるのでしょうか。
2018年12月31日1泊の料金は90,250円となりました。スターポイント利用単価は9円となります。この料金は朝食が付いているので、スターポイントによる無料宿泊の条件とは若干異なるのですが、かなりお得な無料宿泊であると言えるでしょう。北海道のスキーリゾート・キロロのホテルで、銀色の景色に囲まれながら新たな年を迎えるという、この9万円以上も払わなければできない体験を、10,000スターポイントで得ることができるのです。
このようにピークシーズンは宿泊料金がとても高くなるにも関わらず、変動がないスターポイント数で無料宿泊をすることができます。ただしピークシーズンは無料宿泊の枠も無くなるのが早いので、どうしても無料宿泊で泊まりたい日は早めに予約をしておく必要があります。
方法3:ハイクラスのマリオットリワード参加ホテルに宿泊
最後に3つ目のスターポイントによるお得な無料宿泊の方法をお教えいたします。
せっかく頑張って貯めたスターポイントなので、カテゴリーの低いホテルだけでなく、ハイクラスのホテルにも無料宿泊したい、と思うのは私も一緒です。しかしSPGのハイクラスホテルはカテゴリー6で20,000から25,000スターポイント、カテゴリー7で30,000から35,000スターポイントとかなり多くのスターポイントが必要であり、しかも予約枠は一定であることからピークシーズンは日によって予約を取るのが難しくなります。
そこで当サイトがスターポイントによるお得な無料宿泊方法としてお勧めしたいのが、「ハイクラスのマリオットリワード参加ホテルへの無料宿泊」です。
SPGのスターポイントはマリオットリワードのポイントに「1:3」の比率で交換することができます。例えば10,000スターポイントは30,000マリオットリワードポイントに交換することができます。
SPGと同様にマリオットリワードもポイントで無料宿泊をすることができますが、マリオットリワードではSPGスターポイントからの交換によりとてもお得に無料宿泊することができるのです。
例えばマリオットグループを代表する世界的なハイクラスホテル、ザ・リッツ・カールトン・ホテルで見てみましょう。サンプルはザ・リッツ・カールトン京都です。2017年9月のカレンダーで宿泊料金を見てみると、最安価格は8月最終週の73,500円、最高価格は9月16日の117,600円となっています。
一方、無料宿泊必要ポイントをカレンダーで見て見ると、全ての日が70,000ポイントで宿泊予約可能になっています。マリオットリワードもSPGと同様に、ポイントでの無料宿泊はホテルごとのカテゴリー(リッツカールトンの場合はティア)で必要ポイントが決まっています。ザ・リッツ・カールトン京都はティア5、無料宿泊で必要なポイントは70,000マリオットリワードポイントとなっております。
70,000マリオットリワードポイントは「1:3」の交換比率により、23,334スターポイントで交換・獲得することができます。
ではスターポイント利用単価を確認してみましょう。
最安価格の73,500円は税金・サービス料金込みで89,699円となります。
「89,699円 ÷ 23,334スターポイント = 3.8円」
ということでスターポイント利用単価は3.8円と結構お得にハイクラスホテルへ宿泊したと言えるのです。
ちなみに最高価格の117,600円では、税金・サービス料金込みの価格が143,519円となります。
23,334スターポイントで宿泊した場合、スターポイント利用単価は6.2円とさらにお得になります。しかもSPGに比べてマリオットリワードの無料宿泊は予約が入れやすいのも、当サイトがこの無料宿泊をお勧めする理由の一つなのです。
イチオシのスターポイントによる国内ホテル無料宿泊
それでは最後にマイラーズ!が最もお勧めする、スターポイントによる国内ホテルへの無料宿泊をお教えいたします。
それはずばり「ザ・リッツ・カールトン東京」への宿泊です。ザ・リッツ・カールトン東京では、標準的な宿泊価格でもスターポイント利用単価3円前後、ピークシーズンは7円を超えて利用することも可能です。宿泊料金が17万円を超えるような日も、ポイントで無料宿泊ができるのです。
しかしお勧めするのはそれだけではありません。ザ・リッツ・カールトン東京は私が数々の国内SPG・マリオットリワード参加ホテルに宿泊した経験として、施設&サービスそしてスタッフのホスピタリティが抜群にNo.1であり、心からラグジュアリーな非日常感を楽しむことができる国内最上級のホテルだからです。一緒に泊まる大切な人にも、きっと喜んでもらえることは間違いありません。
ただしザ・リッツ・カールトン東京は、マリオットリワードのゴールド会員はもちろんプラチナ会員でもラウンジアクセスや無料朝食を特典として得ることはできません。ただしポイントでの無料宿泊に追加料金を支払うことでとても美味しい朝食をいただいたり、エグゼクティブラウンジでさまざまなフードプレゼンテーションを楽しむことができます。
貴重なスターポイントが貯まり、国内で大切な人と大切な日に最高のホテルライフを楽しみたいということであれば、ぜひ国内最上級ホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」に無料宿泊してみてください。お勧めです。
まとめ
- スターポイントによる無料宿泊でお得かどうかは「スターポイント利用単価」で確認する。
- スターポイント利用単価は「宿泊料金÷必要スターポイント数」で算出する。
- 宿泊料金は「同日同一条件の部屋」を「税金・サービス料金込み」で確認する。
- スターポイントの価値は2.5円と考え、スターポイント利用単価が2.5円を上回っているかどうかでお得か損かを見極める。
- スターポイントでお得に無料宿泊する3つの方法は以下の通り。
- カテゴリー1〜2のSPG参加ホテルに宿泊、週末はさらにお得。
- 通常の宿泊料金では高額なピークシーズン(混雑期)のSPG参加ホテルに宿泊。
- SPGからマリオットリワードにポイントを交換して、ハイクラスのマリオットリワード参加ホテルに宿泊。
- イチオシの国内ホテル無料宿泊は「ザ・リッツ・カールトン東京」への宿泊。できれば追加料金で朝食やラウンジアクセスを付けるべし。
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